No.105 スペイン—チクングニア熱

 8月3日にスペインの国際保健規約(IHR)国家担当者がバレンシア地方Gandia(ガンディア)市でチクングニア感染症患者が発生したことを2015年8月10日にWHOに報告しました。スペインにおいて、チクングニア発生地域への旅行歴のない人にこの疾患の検査が陽性となったのは、これが初めてです。

患者は60歳の男性で、彼は7月7日にフランスで発症し、7月8日にフランスで病院を受診しました。スペインに帰国した後、患者は7月11日に入院し、7月16日に退院しました。7月23日に、患者の血液が採取され、7月31日に、ELISA法によって血清IgMが検出され、チクングニアが陽性であると確認されました。

 彼の潜伏期の可能性のある期間および症状を発症した期間(患者に感染が成立し、他人に伝播させる可能性のある期間)、彼はスペインのバレンシア地方および媒介蚊となるヒトスジシマカが棲息することが知られているフランスのLanguedoc-Roussillon(ラングドック・ルシヨン)地域に滞在していました。

チクングニア熱は蚊に刺されることで広がるウイルス性疾患です。「チクングニア」とは、アフリカの現地語で痛みによって「かがんで歩く」という言葉に由来します。最近、ヨーロッパやアメリカ大陸にも感染者が広がり、年々患者数が増加している感染症です。

潜伏期間は2〜12日(通常2〜4日)で、その後に、発熱、関節炎、発疹がみられます。関節の痛みは、手首、足首、指、膝、肘、肩などに現れます。結膜炎や神経系の症状もみられます。出血しやすくなることもあります。死に至ることは稀ですが、関節の痛みが月単位、年単位で続くことがあります。

症状によるデング熱との鑑別は大変困難で、デング熱よりも潜伏期間が短く、旅行中に発症する可能性があります。

ウイルスによる治療薬はなく、ワクチンや予防薬もありません。虫除け対策が唯一の予防法です。

かつては、アジア、アフリカの熱帯・亜熱帯が流行地域でしたが、最近は中南米の各地に流行地が広がり、今も拡大を続けています。チクングニア熱が流行している地域では、肌が露出する服装で野外を行動することは避けるようにしましょう。

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